ビジャレアルCFは、スペインバレンシア州カステリョン県ヴィラ=レアルに
本拠地を置く、プロリーグ1部に所属するサッカーチーム。
ヴィラ=レアルの面積は約55.1㎞²。日本の三宅島の大きさに近い。
人口約5万人の都市で、産業の中心はオレンジ栽培だが、
人口の半分を収容できるスタジアム
エスタディオ・デ・ラ・セラミカを中心としたスポーツの街でもあるそうだ。
人口規模や産業基盤は決して大きくはないが、このチームが目指し、
実戦を積み重ねてきた選手育成のメソッドが、今、競技種目の枠を超えて、
一つの教本のような存在として注目を集めている。
7月20日、千葉県流山市にある江戸川大学駒木キャンパスで行われた
「スペイン ビジャレアルCF育成コーチによる特別講演」もその一つ。
“10年後の選手の姿に責任を持つ”ことが指導者の責任 というクラブ全体の共通認識の基、
“どのような選手を育てたいのか?”その具体的なゴールを目指すために必要な
組織のありようや、人的環境を含めたクラブ環境の整備を推し進めてきたビジャレアル。
同クラブのメソッドダイレクターで、U-6サイコモーター責任者のマリアン・ベラさんと
現在、同チームフットボールマネジメント部所属で、RFEF公認S級ライセンス指導者の
佐伯夕利子さんのお話は、
スポーツが、人として成長する人格形成という大切な過程を担うものであり、
その中で指導者は、選手に多大な影響をもたらす“意志を持つ環境”であることの意味を
改めて問われる、貴重な内容だった。
当日、全国から集まった指導者は、バスケットボールやサッカーだけではなく、
ラグビーや野球など、多種目に及んだ。
「どんな選手を育てたいのか?」この命題に、スポーツ種目を隔てる要素はない。